第105回天皇杯全日本サッカー選手権大会の沖縄県代表を決める「タイムス杯争奪OFA第30回沖縄県サッカー選手権大会」決勝が5月11日、沖縄県総合運動公園陸上競技場で行われ、沖縄SVがFC琉球との接戦を延長戦の末に1―0で制し、2年連続6回目の天皇杯出場を決めた。
試合は序盤から激しい雨に見舞われる難しいコンディションの中でキックオフ。前半から積極的に攻撃を仕掛けたのは沖縄SVだった。シュート7本、コーナーキック5本と数字でも相手を上回りながらも、FC琉球の堅守を前にゴールを奪えず、スコアレスのまま前半を折り返した。
後半開始と同時に#14 MF高塩に代えて#16 MF有田朱里を投入。攻撃のテンポをさらに上げにかかるが、試合が動いたのは思わぬ展開からだった。後半34分、#13 MF小川嵩翔がこの日2枚目のイエローカードを受け退場。残りの時間を10人で戦うこととなった。
それでも沖縄SVは崩れなかった。#3 DF藤﨑将汰や#2 DF水越陽也を中心とした守備陣が集中力を切らさず、FC琉球の攻撃をしのぎ続ける。0―0のまま90分を終え、勝負は延長戦へ。
延長前半も互いに譲らず迎えた延長後半、ついに均衡が破れる。#16 MF有田朱里が左サイドからのドリブルでペナルティエリア内に切り込み、相手ファウルを誘発。自らキッカーを務め、落ち着いてゴール右に流し込んだ。貴重な1点を守り抜いた沖縄SVが、悪天候の中で行われた死闘を制した。
この試合では、#5 DF松下大祐がJFL第5節(4月6日)以来の実戦復帰も果たしており、チームにとって収穫の多い一戦となった。
沖縄SVは、5月25日(日)13時から、同じく沖縄県総合運動公園陸上競技場で行われる天皇杯1回戦で、ヴェルスパ大分(大分県代表)と対戦する。勝利すれば、6月11日(水)にはJ1・アビスパ福岡との2回戦(ベスト電器スタジアム)へ駒を進めることになる。
雨の中、現地で声援を送ったファンにとっても忘れられない勝利となった今大会。Jクラブとの大一番に向けて、沖縄SVは再び結束を高めて挑む。