第105回天皇杯全日本サッカー選手権大会が5月24日に開幕する。長崎県代表として出場する三菱重工長崎SCは、初戦でJ2の愛媛FCと対戦する。試合は同日午後1時から、松山市のニンジニアスタジアム(ニンスタ)で行われる予定だ。
三菱重工長崎SCは、5月11日に諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で開催された「第36回長崎県サッカー選手権大会」決勝で、県リーグ1部所属の時津サッカークラブに4―0で快勝。3年連続12回目の天皇杯出場を決めた。
試合では、MF奥を起点にサイドからテンポ良く攻撃を展開し、終始主導権を握った。前半39分、右CKをDF荻野が頭で押し込み先制。後半に入ると、交代出場のMF田中が11分と20分に立て続けにゴールを決め、終盤には同じく途中出場のMF平野がダメ押しの4点目を奪った。
守っても、GK山本が好セーブを連発。後半、時津のDF安生地に2度訪れた決定機も冷静にシャットアウトし、無失点での勝利に貢献した。先制点を決めた荻野が最優秀選手に、2得点の田中が優秀選手に選出された。
三菱重工長崎SCは、今季から8年ぶりに九州リーグへ復帰。経験と地力を兼ね備えたチームは、県内のアマチュアクラブに対し格の違いを見せつけた。根橋総監督は「普段通りに自分たちの試合ができた。九州リーグでの経験がうまく生きた。無失点というのは非常に大きい」と試合内容に手応えを語った。
後半から出場し2ゴールを挙げたMF田中は、「みんながつないだボールを決めた。チーム全体で勝つことができた」と振り返った。11分にはこぼれ球を押し込み、さらに20分にはFW城臺の右クロスを受けて1人かわし追加点を決めるなど、短い出場時間で印象的な活躍を見せた。
昨年の天皇杯では、同クラブが16年ぶりに1回戦を突破。今年の初戦ではJ2の愛媛FCという格上との対戦が控えるが、根橋総監督は「リーグ戦に生かせるような試合がしたい」と冷静に構え、田中も「番狂わせを起こせるように準備していきたい」と2年連続の初戦突破に意気込んだ。
伝統ある企業チームとして長年地域サッカーを支えてきた三菱重工長崎SCが、再び全国の舞台で存在感を示せるか。格上撃破に向け、ニンスタでの戦いに注目が集まる。